2016-12-28 15:00
社会
イスラム団体によるサンタ衣装禁止令と、ある若者の「意思表示」

記念式典での行為
2009年12月に亡くなったインドネシア元大統領Abdurrahman "Gus Dur" Wahid氏の、7年目の記念式典が開催される中で、ある若者が示した無言の「意思表示」が注目を集めた。その若者Alim氏は、同式典に出席するにあたり、伝統的なイスラム装束を身に着けながら、頭にはサンタクロースの帽子を被っていた。
同国では、クリスマスシーズン中、店舗の店員などがクリスマス装束に身を包むのはよく見られる光景だが、伝統的なイスラム装束とともにサンタクロースの帽子や飾りを身に着けるというのは常識的ではない。
サンタ衣装禁止令
「インドネシア・ウラマー評議会」(MUI)は今月15日、クリスマス期間中、イスラム教徒にそぐわない衣装やアクセサリーを身に着けることを禁止するファトワ(宗教令)を出した。“宗教的イメージやアクセサリーは、意図的にある特定宗教のアイデンティティーを示し、それらの伝統や宗教的な儀式を象徴するために使われる。”(AsiaNews.itより)
と、MUIの委員長は語っている。
同国におけるクリスマスシーズンは、本来のキリスト教的な意味合いが薄れ、年末のイベントとして多くの国民が楽しんでいるというのが実情だ。
そういった中で、MUIがあえてサンタの衣装などを禁止する宗教令を発布したことに、イスラム教的な世界観をこれまで以上に強く押し出すものだと危惧する声もある。
「寛容さへのジェスチャー」
式典が行われた同国第4代大統領は、さまざまな民族や宗教が混在する同国において融和的な政治を行い、「プルーラリズム(多元的共存)の父」と呼ばれている。サンタの帽子を被り式典に出席したAlim氏は、
“これは単なる寛容さへのジェスチャーですよ。”(ジャカルタポストより)
と語った。
(画像はジャカルタポストより)
外部リンク
ジャカルタポスト
http://www.thejakartapost.com/
AsiaNews.it
http://m.asianews.it/
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