2016-11-16 21:00
社会
ジャカルタでトランスジェンダーの女性たちによる美人コンテストが開催、過激派の敵意を危惧しながら

「ミス・トランスジェンダー・インドネシア」
ジャカルタで11日夜、トランスジェンダーの女性たちによる美人コンテストが開催された。ステージ上できらびやかなドレスに身を包みポーズを決める19人の出場者たち。審査の結果、28歳のパイ・ナビ・タピイさんが「ミス・トランスジェンダー・インドネシア」の栄冠を獲得した。
公開を制限して開催
美人コンテストは、限られた報道陣と観客だけが招待され、ほとんど非公開のイベントとして開催された。コンテスト主催者が、過激なイスラム強硬派の注目を集めることを危惧したためだ。
イスラム強硬派の台頭
同国の憲法は6つの異なる宗教を正式に認めており、国民のほとんどが節度のあるイスラム信仰を実践している。だが、近年、イスラム強硬派の活動が存在感を増している。当局は、反イスラムのレッテルを貼られるのを怖れ、積極的な取り締まりを行っていないのが実情だ。イスラム強硬派はトランスジェンダーに反対している。
トランスジェンダーの位置付け
同国のトランスジェンダーを含むLGBTは、イスラム教のシャーリアを導入したアチェ州においては犯罪とされているが、その他の地域では処罰の対象ではない。しかし、その権利を保護するための法律が存在しないため、LGBTの人々は差別的な扱いを受けることがめずらしくない。
先月、スラウェシ島の同性カップルが、ベッドでキスをしている写真をソーシャルメディアに投稿した。写真はネット上で拡散し、それを見た多くの人が怒りの声を上げたことから、カップルは反ポルノ法違反とインターネット・コンテンツに関する法律違反で、警察に逮捕されることになった。
こういった国内事情もあり、美人コンテストは大々的に開催される訳にはいかなかったようだ。主催者は、会場を撮影した写真をソーシャルメディアに投稿しないよう観客に呼びかけた。
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