2016-10-31 00:00
社会
ジャカルタ市の「ネズミ根絶運動」、新たな懸念も
ネズミ捕獲に報酬
ジャカルタ市当局は先週、ネズミを捕獲した住民に対して、1匹につき2万ルピア(約160円)を報酬として支払うと発表した。「ネズミ根絶運動」と名付けられたこの作戦は、市の美化運動の一環として、さらにはネズミによって引き起こされる病気の発生を防ぐ目的で始められた。
予算を計上し、取り組み本格化
ジャカルタ市は、今回の事業のため8000万ルピア(約65万円)の予算を計上した。市当局は、ネズミを捕まえる方法として銃や毒えさではなく、罠を仕掛けることを推奨している。銃の使用は事故を引き起こす原因ともなり、また住民はネズミを殺したくはないだろうとの考えからだ。
住民によって捕獲されたネズミは、数を数えられ、報酬が支払われる。その後は、市衛生局か公園墓地管理局に送られ、指定された場所に埋められることになる。
ネズミ根絶につながるのか
「コブラ効果」という言葉がある。間違った解決法を用いたため、かえって事態を悪化させてしまうことをいうのだが、この言葉はイギリス植民地時代のインドで起こったとされる逸話がその由来となっている。毒ヘビのコブラに手を焼いたイギリス人は、コブラを殺して持ってきた住民に報酬を支払うと発表した。その結果コブラの数は減るかと思われたが、そうはならなかった。住民の中でコブラを飼育する者が現れたからだ。
当局はやっとそのことに気づき、報酬制度を廃止したのだが、もう金にならなくなったコブラが一斉に放たれたため、コブラの数はかえって増加してしまった、という話。
ジャカルタ市で、ネズミを飼育する住民が現れたらどうするのか。また、もしそのようなことが公になり、逮捕される者が現れたら、同様の罪を犯していた者たちは一斉に飼育していたネズミを逃がすのではないか。
ただの杞憂だと笑い飛ばして良い話なのか否か、それはネズミ根絶運動の推移を見てからでしか判断できないようだ。
(画像はイメージです)
外部リンク
ジャカルタ・ポスト
http://www.thejakartapost.com/
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